背骨以外の胴体の骨が変形した後遺症が残った場合の後遺障害等級、賠償金額、後遺障害の立証方法について解説します。
40歳、会社員、年収480万円、
交通事故について被害者の過失なしの場合
等級 | 後遺障害 | 参考賠償金額 |
12級5号 | 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの | 1770万744円 解説を見る |
詳しい算出条件 |
後遺障害の逸失利益(後遺症) | 1231万5744円 =480万円(年収)×0.14(労働能力喪失率14%)×18.327(67歳までのライプニッツ係数) |
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後遺障害の慰謝料(後遺症) | 290万円 |
入通院慰謝料 | 164万円 |
休業損害 | 80万円 |
入院雑費 | 4万5000円 =1500円×30日(1ヶ月) |
治療費等 | 実費 (保険会社から直接病院に支払われることが多いです) |
交通費 | 実費 |
その他 | 参考保険金額が増額される可能性があります。 装具等購入費、家屋・自動車等改造費、将来の治療費等、弁護士費用、遅延損害金など |
上記の参考賠償金額は、形式的な相場によるものであり、個別の事情によっては金額が大きく変わることがあります。
たとえば、交通事故で骨移植をするために、骨盤(の腸骨)から骨を採取した場合、骨盤骨の変形として12級が認定されても、仕事への影響はないとして、後遺障害逸失利益が認められない可能性があります。
もっとも、骨採取部分の疼痛が残っている場合には、仕事への影響があるといえ、疼痛の後遺障害として、後遺障害逸失利益が認められる可能性があります。
(その場合の労農能力喪失率や喪失期間は、後遺症の内容や実際の仕事への影響などを考慮して決められることになります。)
また、後遺障害逸失利益が認められなかった場合には、健常な骨盤を手術しなければならなかったことを考慮して、慰謝料が増額される可能性があります。
後遺障害等級の対象となるのは、裸体となったときに、変形が分かる程度のものです。
レントゲン写真で確認できる程度では、基本的には等級認定されません。
もっとも、骨移植のために骨盤骨の一部を採骨したものでも12級5号の認定を受けているものがありますので、変形があれば積極的に後遺障害等級の申請をすべきと考えます。
肋骨の骨折などは、回復のスピードが速いため、主治医が後遺障害診断書に十分な記載をしていないことがありますので、注意が必要です。
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