半月板損傷の後遺障害等級

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半月板(はんげつばん)は、太ももの骨とすねの骨の間にあって、クッションの役割をし、ひざの関節の動きを滑らかにしています。

半月板損傷は、交通事故では、ひざを曲げた状態で強くねじったときに起こります。

半月板損傷のために、ひざが痛む後遺症が残った場合の後遺障害等級、賠償金額、後遺障害の立証方法について解説します。

認定される可能性のある後遺障害等級

ご確認前に必ずお読みください
ここでは認定される可能性のある後遺障害等級をご確認頂き、1つのケース(被害者40歳、年収480万円、被害者の過失なし)を前提に、個別事情を考えない一般的な計算方法で計算した適正な賠償金額(参考賠償金額)をご覧頂けます。しかし、参考賠償金額は、年齢や年収をはじめ、具体的な事情によっては、金額が変わるものです。

参考賠償金額については、ぜひ、「内訳」までご参照ください。特に、具体的な事情によっては、内訳にある「その他」の賠償金も認められることにより、参考賠償金額よりも実際の賠償金額が大幅に多くなるケースもあります。

ご自身の場合の賠償金額がどうなのかについては、お気軽に無料相談をご利用ください。
参考賠償金額については、治療費が含まれていません(保険会社から直接病院に支払われることが多いため)。治療費を含めれば、その分だけ大きな金額となります。また、交通費も含まれていません。
併合によって、等級が上がっている場合は、その上がった等級の参考賠償金額と内訳を参考にして下さい。併合についてはコチラをご確認ください。

40歳、会社員、年収480万円、
交通事故について被害者の過失なしの場合

等級 後遺障害 参考賠償金額
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 1770万744円

解説を見る

詳しい算出条件
痛み、しびれ、麻痺等の神経症状を残す障害の存在が医学的に証明できるもの(自覚症状に一致する外傷性の画像所見と神経学的所見の両方が認められるもの)等
参考賠償金額内訳
[入院  1ヶ月 / 通院期間  8ヶ月 / 休業日数  2ヶ月]の場合
後遺障害の逸失利益(後遺症) 1231万5744円
=480万円(年収)×0.14(労働能力喪失率14%)×18.327(67歳までのライプニッツ係数)
後遺障害の慰謝料(後遺症) 290万円
入通院慰謝料 164万円
休業損害 80万円
入院雑費 4万5000円
=1500円×30日(1ヶ月)
治療費等 実費
(保険会社から直接病院に支払われることが多いです)
交通費 実費
その他 参考保険金額が増額される可能性があります。
装具等購入費、家屋・自動車等改造費、将来の治療費等、弁護士費用、遅延損害金など
注意:この内訳は、上記のケース(40歳、年収480万円等)を前提とした場合の一般的な基準による算出結果です。 具体的な事情によっては、金額が大きく異なりうるものです。

なお、後遺障害等級12級の保険金額224万円というのは、最低限の補償である自賠責保険による保険金額の上限です。任意保険会社に対しては、この金額を超えた請求が可能です。
14級9号 局部に神経症状を残すもの 721万8480円

解説を見る

詳しい算出条件
痛み、しびれ、麻痺等の神経症状を残す障害の存在が医学的に説明可能なもの(①目立った他覚的所見は認められないが、神経系統の障害が医学的に推定されるもの、または、②外傷性の画像所見は得られないが、自覚症状を説明する神経学的所見が認められるもの)等
参考賠償金額内訳
[通院期間  8ヶ月 / 休業日数  1ヶ月]の場合
後遺障害の逸失利益(後遺症) 439万8480円
=480万円(年収)×0.05(労働能力喪失率5%)×18.327(67歳までのライプニッツ係数)
後遺障害の慰謝料(後遺症) 110万円
入通院慰謝料 132万円
休業損害 40万円
入院雑費 0円(本ケースでは入院0日なので)
治療費等 実費
(保険会社から直接病院に支払われることが多いです)
交通費 実費
その他 参考保険金額が増額される可能性があります。
弁護士費用、遅延損害金など
注意:この内訳は、上記のケース(40歳、年収480万円等)を前提とした場合の一般的な基準による算出結果です。 具体的な事情によっては、金額が大きく異なりうるものです。

なお、後遺障害等級14級の保険金額75万円というのは、最低限の補償である自賠責保険による保険金額の上限です。任意保険会社に対しては、この金額を超えた請求が可能です。

後遺障害等級認定のための立証方法

MRIが有効な立証方法です。

また、関節鏡検査は、直接、半月板の損傷を確認できます。


仰向けで膝と股を最大限曲げ、ゆっくりと足を医師が動かして、クリック音(ポキポキッという音)が感じられるかを検査するマクマレー・テストなども補助的な立証方法になります。


半月板損傷の診断を受けたものの、MRI画像などで確認できないことを理由に、後遺障害14級しか認められなかったことに納得ができず、当事務所に依頼された方がいます。


ひざの痛みが残っていると仰っていて、マクマレー・テストでもクリック音があるとのことでした。


一般的な1.5テスラのMRIしか撮影していませんでしたので、より解像度の高い3テスラのMRIを撮影することを勧めました。


MRIを撮影した施設の放射線診断専門医は、膝の専門ではありませんでしたので、当事務所の弁護士は、「膝MRI(第2版)新津守」(医学書院)の文献を持参し、98頁の「内側半月板後節は最も厚く内部に淡い高信号が認められることが多いが、関節面に達する断裂を除いて生理的な変性であるといわれる。」などの断裂の診断基準を確認してもらい、その基準に基づいた意見書を作成していただきました。


その意見書を裁判所に提出するとともに、実際の3テスラのMRIを裁判官に見てもらい、高信号が関節面に達していることを確認してもらいました。


その結果、断裂が認められ、12級が認定されました。

この記事を書いた人
深田茂人
深田法律事務所 代表・交通事故専門弁護士
深田 茂人(ふかだ しげと)
平成17年弁護士登録。平成19年に大分市城崎町に深田法律事務所開設。 これまでに1000件以上の交通事故相談、450件以上の依頼を担当しており、特に適正な後遺障害等級の認定が得られるよう注力しています。
【主な職歴・所属】
・大分県弁護士会副会長(平成26~27年度)
・大分県労働委員会会長(令和2年~現在)
・日弁連交通事故相談センター委員
・日本交通法学会会員
・日本賠償科学会会員

 

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