死亡逸失利益の保険会社提示額が低い理由

死亡逸失利益(しぼう いっしつりえき)とは、亡くなったために失われた、将来にわたって働いて稼ぐはずであったお金のことです。

【金額の計算方法】
年収×(100%-生きていたら生活費として使う割合(%))×働くはずであった期間のライプニッツ係数

*ライプニッツ係数とは、将来にわたって稼ぐはずであったお金をすぐに請求することになるので、金利分を差し引くための計算です。

たとえば、30歳の主婦が亡くなった場合、

【弁護士基準(=過去の裁判例に基づく計算方法)】
381万9200円×(100%-30%)×22.1672=5926万2679円

【保険会社のよくある提示額】
261万円×(100%-50%)×22.1672=2892万8196円

このように、保険会社の提示する死亡逸失利益の金額が低い理由は、

弁護士基準では、

・女性の平均年収を使う(令和2年では381万9200円)

・女性の場合、生きていたら生活費として使う割合を30%とすることが多い

のに対し、

保険会社の計算では、

女性の平均年収より低い年収を使われることが多い

・生きていたら生活費として使う割合を50%とすることが多い

ためです。

なお、「働くはずであった期間」は、弁護士基準では原則として67歳までの年数(高齢者の場合は平均余命までの年数の半分)です。30歳の主婦の場合は、67歳までの37年間となります(そのライプニッツ係数は22.1672です)。
会社員などの場合では、保険会社は、定年などを考慮して金額を低く見積もることがあります。

まとめ

死亡逸失利益の金額は、次の3つを使って計算します。

1,年収
2,生きていたら生活費として使う割合
3,働くはずであった期間

保険会社の計算では、この3つ(特に1と2)が弁護士基準と異なり、低い金額を提示してくることが多いので、注意が必要です。

この記事を書いた人
深田茂人
深田法律事務所 代表・交通事故専門弁護士
深田 茂人(ふかだ しげと)
平成17年弁護士登録。平成19年に大分市城崎町に深田法律事務所開設。 これまでに1000件以上の交通事故相談、450件以上の依頼を担当しており、特に適正な後遺障害等級の認定が得られるよう注力しています。
【主な職歴・所属】
・大分県弁護士会副会長(平成26~27年度)
・大分県労働委員会会長(令和2年~現在)
・日弁連交通事故相談センター委員
・日本交通法学会会員
・日本賠償科学会会員

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