人身傷害補償保険金が541万円から2倍の1102万円に増額したケース

被害者:32歳、男性、溶接工(大分県別府市在住)
事故現場:大分県別府市
事故態様:交差点を直進中に右折車と衝突。
入通院状況:左膝関節後十字靱帯損傷、入院12日・通院約1年

後遺障害等級12級が認定され、人身傷害補償保険金の後遺障害分として541万4226円を支払う旨の提示を受けました。この金額は適正なのでしょうか?

ご相談内容

加害者が任意保険に入っていなかったので、自分が入っていた自動車保険に付いていた人身傷害補償保険を使いました。
後遺障害等級12級が認定され、保険会社から後遺障害分の保険金として541万4226円の提示を受けました。この金額は適正なのでしょうか?
なお、入通院慰謝料などの傷害分の保険金はすでに受け取り、和解済みです。

解決内容

この件は、加害者が任意保険に入っていなかったのですが、依頼者様の任意保険に人身傷害補償保険に付いていて、その点は本当に良かったと思います。

依頼者様は、左膝の靱帯の1つ(後十字靱帯)を損傷し、動揺関節(関節がぐらぐらする状態)の後遺症のために後遺障害等級12級が認定されていました(後十字靱帯損傷)。

しかし、保険会社の提示額の内訳を確認しましたところ、やはり保険会社の提示額は相当低いものであることが判明しました。
後遺障害によって十分に働けなくなった損害(後遺障害の逸失利益)は、「年収×後遺障害によって十分に働けなくなった割合(労働能力喪失率)×十分に働けなくなった期間(労働能力喪失期間)」という計算式によって計算されます。ところが、保険会社は、労働能力喪失期間を10年ととても短くして計算し、後遺障害分(=後遺障害の逸失利益と慰謝料)の保険金を541万4226円と低く見積もって依頼者様に提示していました。

そこで、当事務所では、労働能力喪失期間は67歳までの35年間で計算するべきであると主張して、保険会社と交渉しました。
その交渉にあたって、当事務所は、依頼者様の日常生活状況を詳細に報告書の形でまとめて保険会社に提出しました。
その報告書では、依頼者様の溶接工としての具体的な作業内容、特に膝を使う動作について説明し、現在は事故前のようには仕事ができないことを詳しく説明しました。また、溶接工の資格証明書(溶接適格性証明書)のコピーも保険会社に提出しました。
その上で、当事務所は保険会社と繰り返し交渉を行いました。保険会社は、依頼者様が比較的早期に職場復帰していることから、後遺障害の状態はそんなに悪くないのではないかなどと主張しました。しかし、当事務所は、提出した報告書とMRI画像をもとに、仕事の困難な状況を説明しました。また、勤め先の意向で早期に職場復帰せざるをえなかったことも詳しく説明するなどしました。

その結果、依頼者様への提示額であった541万円から2倍の1102万5468円に増額して解決することができました。

なお、この件では、依頼者様は、上記の1102万5468円とは別に、傷害分(入通院慰謝料など)の保険金と、労災(通勤災害)からの後遺障害分97万4532円を受け取ることができています。

依頼者様からは「まさか倍にまでなるとは思わなかった。」と仰って頂きました。どうかお大事になさってください。

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この記事を書いた人
深田茂人
深田法律事務所 代表・交通事故専門弁護士
深田 茂人(ふかだ しげと)
平成17年弁護士登録。平成19年に大分市城崎町に深田法律事務所開設。 これまでに1000件以上の交通事故相談、450件以上の依頼を担当しており、特に適正な後遺障害等級の認定が得られるよう注力しています。
【主な職歴・所属】
・大分県弁護士会副会長(平成26~27年度)
・大分県労働委員会会長(令和2年~現在)
・日弁連交通事故相談センター委員
・日本交通法学会会員
・日本賠償科学会会員
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