相談者:30代の男性(大分市在住)
事故現場:大分県別府市
交通事故の態様:二輪車で走行していたところ、路側帯に停止していた相手車がいきなりUターンを開始してきて衝突
ケガの内容:左膝内側半月板損傷
保険会社から通知された等級:14級
裁判で認定された等級:12級
解決した金額:861万7498円
半月板損傷の治療を終えましたが、左ひざに痛みが残ってしまいました。保険会社から後遺障害14級の通知が届きましたが、適正でしょうか。
当事務所の弁護士が、保険会社からの通知を拝見したところ、半月板の損傷が、MRIなどの画像で確認できるに至っていないことを理由に、14級にとどまるとの認定がなされていました。
ご相談者に事故時の状況をおたずねしたところ、左膝がご自身のバイクと相手車のバンパーの間に挟まれる形となり、そのまま身体が倒れたために、左膝がねじれる状態になって、ブチッという異音のようなものを感じたとのことでした。
等級が上がるかについては、後遺障害診断書やカルテなどの医療記録を確認する必要があることをお伝えし、ご依頼を受けることとなりました。
当事務所の弁護士は、病院からカルテや画像などの医療記録を取り寄せました。
医師が実施したマクマレー・テストでは、膝のクリック音が確認できたようで、「半月板損傷」の診断名が付けられていました。
しかし、MRI画像では、明らかな半月板の損傷は確認できませんでした。
このMRI画像は、一般的な解像度である1.5テスラのMRI機器で撮影されたものでした。そこで、より解像度の高い3テスラでのMRI機器がある病院をご紹介し、再度MRI撮影を行っていただきました。
その病院の医師は放射線診断専門医であり、膝の専門ではありませんでした。
そこで、当事務所の弁護士は、「膝MRI(第2版)新津守」(医学書院)の文献を持参し、98頁の「内側半月板後節は最も厚く内部に淡い高信号が認められることが多いが、関節面に達する断裂を除いて生理的な変性であるといわれる。」などの断裂の診断基準を確認してもらいました。
放射線診断専門医は、画像を見ることに関する専門家なため、文献の基準に基づいたとても詳細な意見書を作成していただくことができました。
その意見書とともに、上記の「膝MRI(第2版)新津守」の文献、MRI画像の読影に関する文献、膝の構造に関する文献などを裁判所に提出しました。
そして、裁判官に実際に3テスラのMRI画像を見ていただき、MRI画像の高信号についての説明や、膝の構造に関する説明をし、さらに、半月板断裂の診断基準を説明の上、高信号が関節面に達している、つまり断裂であることを確認してもらいました。
加害者側は、たとえ断裂であったとしても、通常の1.5テスラのMRIでは捉えられないような軽微なものであること、被害者は支店長であり、事務の仕事であって、膝の痛みによる仕事への影響は少ないと主張しました。そして、逸失利益などの賠償金額の減額を求めました。
当事務所の弁護士は、被害者から詳細な聴き取りをした陳述書を提出しました。
陳述書では、被害者は支店長であるものの、支店の従業員数は少なく、他の従業員とともに重い荷物を運んだり、しゃがんだり、中腰になったりしての作業をする機会が多いこと、事故後はそのような仕事が十分にできなくなったことなど、特に仕事への影響について詳細に説明しました。
その結果、12級を前提とする和解が成立し、仕事への影響も認められ、861万7498円の賠償金が支払われました。
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