交通事故の衝撃により、腰痛が生じることは多くあります。ムチウチの場合では、腰痛が42%で出現すると報告されています。
診断名としては、腰椎捻挫(ようつい ねんざ)、腰部捻挫(ようぶ ねんざ)、腰椎椎間板ヘルニア(ようつい ついかんばん へるにあ)、腰部椎間板ヘルニア(ようぶ ついかんばん へるにあ)、腰部神経根症(ようぶ しんけいこんしょう)などがあります。
ムチウチにより、腰が痛い、腰が重く感じる、足がしびれるなどの後遺症が残った場合の後遺障害等級、賠償金額、後遺障害の立証方法について解説します。
40歳、会社員、年収480万円、
交通事故について被害者の過失なしの場合
等級 | 後遺障害 | 参考賠償金額 |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの | 1072万7295円 解説を見る |
詳しい算出条件 |
後遺障害の逸失利益(後遺症) | 573万2295円 =480万円(年収)×0.14(労働能力喪失率14%)×8.5302(10年のライプニッツ係数) |
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後遺障害の慰謝料(後遺症) | 290万円 |
入通院慰謝料 | 125万円 |
休業損害 | 80万円 |
入院雑費 | 4万5000円 =1500円×30日(1ヶ月) |
治療費等 | 実費 (保険会社から直接病院に支払われることが多いです) |
交通費 | 実費 |
その他 | 参考保険金額が増額される可能性があります。 弁護士費用、遅延損害金など |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの | 362万9128円 解説を見る |
詳しい算出条件 |
後遺障害の逸失利益(後遺症) | 109万9128円 =480万円(年収)×0.05(労働能力喪失率5%)×4.5797(5年のライプニッツ係数) |
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後遺障害の慰謝料(後遺症) | 110万円 |
入通院慰謝料 | 103万円 |
休業損害 | 40万円 |
入院雑費 | 0円(本ケースでは入院0日なので) |
治療費等 | 実費 (保険会社から直接病院に支払われることが多いです) |
交通費 | 実費 |
その他 | 参考保険金額が増額される可能性があります。 弁護士費用、遅延損害金など |
MRI画像、ラセーグテスト・SLRテスト・FNSテスト・筋萎縮検査・深部腱反射テストなど神経学的検査、自覚症状や治療経過(事故当初から自覚症状や治療経過が一貫しているか)などにより、立証します。
腰には5つの骨(腰椎)があり、それらの骨の間には椎間板があります。
この椎間板が事故の衝撃で突出し、付近の神経を圧迫すると、その神経が伸びている先の部分で痺れなどの感覚異常が生じます。
どの椎間板が突出しているかにより、圧迫される神経が異なります。
そして、神経ごとに感覚異常が生じる部分(「神経の支配領域」といいます)が異なります。
被害者に生じている感覚異常が、圧迫されている神経の支配領域と異なる場合、加害者側(の保険会社)は、そのことを理由に、後遺障害は認められないと主張してくることがあります。
そのような主張がなされた裁判で、当事務所の弁護士が裁判で提出する準備書面の記載内容の一部を以下で紹介します。
「『病気がみえるvol.7脳・神経』(尾上尚志ほか監修 MEDIC MEDIA)255頁に『デルマトーム(脊髄神経が支配する皮膚の感覚領域の模式図)には個人差があり、また、皮膚は隣接する複数の髄節からの感覚神経の支配を受けています。このため、実際には皮膚分節の境界は明瞭ではありません。あくまで目安として理解しておきましょう。』とあるとおり、あくまで目安にすぎないものである。
むしろ、同頁の『下の部位は、臨床的に重要なので覚えておくとよい。』として挙げられているのは『母趾:L5』のみであり、他のL1~L4の支配領域は臨床的には重要とされていない。
このような臨床におけるデルマトームの理解を前提とすれば、画像所見との整合性は十分にあるといえる。」
神経の支配領域から多少ずれている程度であれば、上記の主張により、後遺障害等級が認定されています(上記の他の立証方法も必要です)。
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