被害者:25歳、男性、会社員(大分県津久見市在住)
事故現場:大分県津久見市
事故態様:青信号で横断歩道を横断中に前方より右折してきた自動車にはねられた。
入通院状況:外傷性クモ膜下出血など、入院15日・通院約1年4か月
臭いを感じることができなくなりました。
言いたい内容を相手に伝えることが少し難しくなったようにも思います。また、感情をコントロールするのが難しくなりました(すぐにイライラする)。
退院後、経過観察をしていますが、今後の事が心配です。
脳挫傷、急性硬膜下血腫、外傷性クモ膜下出血などの診断を受けましたが、手術まではせずに保存療法となりました。15日間の入院を経て、現在は経過観察中ですが、一番気になる症状は臭いを全く感じなくなった事です。
今後の事が心配なので、どうしたら良いか教えて下さい。
大変な事故に遭われたのですが、医師からは手術はしない保存療法と判断され、15日で退院となったとのことでした。
そのため、ご自身のお身体に対してとても心配されており、今後どのようにすれば良いのか全く分からないとのことで、ご相談にいらっしゃいました。
お身体についての主な訴えは「臭いを全く感じなくなった」ということでした。
この場合、鼻から脳へ臭いの感覚を伝える嗅神経の周辺が損傷している可能性があり、それがMRI画像で捉えられていることが重要になります。なぜなら、「脳挫傷」と診断されていても、それが嗅神経周辺の損傷の画像でなくては、証拠不十分として嗅覚脱失の後遺障害を認めてもらえない可能性があるからです。
そこで、弁護士が脳外科の医師に面談をして、MRI画像を見せて頂き、画像上も嗅神経周辺の損傷が捉えられていることが分かり、嗅覚脱失の原因の証明は問題無いことが分かりました。
「原因」の立証の次は、「症状」の立証が必要になります。そのため、次は弁護士が耳鼻科に医師面談し、嗅覚脱失の検査としてはアリナミンFテストではなくアリナミンPテストを実施するように依頼をしました。アリナミンFテストでは「症状」の証明として不十分であるとされているからです。
アリナミンPテストを受けて頂き、完全に嗅覚が脱失しているとの検査結果であったことから、ご本人様の訴えのとおりに嗅覚脱失の証明ができることになりました。
ご本人様は、臭いを感じなくなったこと以外に、あまり変化は無いと思うと仰っていました。
しかし、高次脳機能障害の特徴の1つに病識の欠如(=障害の認識の欠如)があります。大きな脳損傷を伴う場合は、同居の家族などに、事故前との変化が無いかを聴取する必要があります。そこで、奥様にも打合せに来て頂き、お話をうかがいました。
奥様のお話では、事故前とは違って、「すぐにイライラするようになりました。」「細かい内容の話を私に伝えることができなくなったように思います。」とのことでした。
そのため、弁護士が「高次脳機能障害の専門病院で検査を受けてみますか?」とご本人様と奥様に尋ねました。脳の損傷についてとても心配をされていたので、検査を受けてみるとのご回答でした。
高次脳機能障害の専門病院で、知能検査であるWAIS-Ⅲ、記憶検査であるWMS-R、遂行機能検査であるWCSTとBADS、注意力検査であるD-CATやTMTを受けました。
その後、弁護士が医師に面談をし、神経心理学的検査結果をまとめた診断書の作成を依頼しました。
さらに、ご本人様・奥様と一緒に、詳細な日常生活状況報告書を作成しました。
このようにして、弁護士が医師面談によって集めた検査結果(MRI画像、アリナミンPテストの結果、神経心理学的検査結果の診断書など)と日常生活状況報告書を損害保険料率算出機構に提出したところ、嗅覚脱失として12級、高次脳機能障害として9級が認められ、両者を合わせて併合8級が認められました。
その後は弁護士が保険会社との交渉を繰り返し、最終的に3891万2567円の賠償金を得ることができました。
大変な事故ではあったけれど、まさかこのような大きな賠償金になるとは思っていなかったと仰ってくださいました。どうかお大事になさってください。
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