高次脳機能障害で595万円の提示(12級)から2322万円(9級)の3.9倍に増額したケース

被害者:64歳、女性、パート従業員
事故態様:原付バイクで走行中に後方から自動車に追突された。
入通院状況:右側頭葉脳挫傷など、入院106日・通院約1年半

事故後、洗濯機の操作方法が分からない、言葉がゆっくりとしか出ない、以前は好きだった料理が面倒に感じるなどの症状が残りました。脳挫傷痕の残存として後遺障害等級12級とされ、保険会社から595万4055円の提示を受けましたが、とても適正とは思えません。

ご相談内容

原付バイクで走行中に後方から自動車に追突され、右側頭葉脳挫傷、右鎖骨骨折などの診断を受け、脳血管内手術を受けました。
一命はとりとめ、リハビリを経て、自宅に戻ることもできたのですが、事故前とちがって次の①~⑬の症状があります。
①洗濯機の操作方法が分からない、②駅の切符を買う機械の操作方法が分からない、③最近知った道や最近見たテレビの内容などの新しい事が覚えられない、④買い物で買い忘れが多い、⑤言葉がゆっくりとしか出ず、すぐに返答ができない、⑥以前は好きだった料理が面倒に感じる、⑦知り合いの顔が記憶と少し違って見える、⑧服装が自分に合っているか分からなくなった、⑨人付き合いが面倒になった、⑩パートで同時並行の作業ができなくなった、⑪細かい話をされると理解できずにイライラする、⑫気が短くなり、怒りっぽくなった、⑬疲れやすく、日中よく休むようになった。
脳挫傷痕の残存として後遺障害等級12級、鎖骨の変形12級と併合しての11級として、保険会社から595万4055円の提示を受けましたが、事故前の生活からの変化を考えると、納得がいきません。

解決内容

右側頭葉脳挫傷のMRI画像.jpgご相談者様のお話を伺い、後遺障害等級認定のために必要な検査や資料が不足しているのではないかと思われました。

そこで、まずは、後遺障害等級認定機関である損害保険料率機構に提出済みの資料を取り寄せました。

取り寄せた画像では右側頭葉脳挫傷が明らかに確認できました(画像は左右が逆に映されることになっています)。

しかし、さらに資料を確認していくと、高次脳機能障害の認定のために必要とされる①「日常生活状況報告書」の記載内容がずさんであること、②「神経心理学的検査」がなされていないことが判明しました。

「日常生活状況報告書」の記載内容については、案の定というよりも予想を超えて、ずさん極まりないものでした。というのは、必要な項目の記載が無い上に、記載者名の欄も空欄だったのです。つまり、誰が書いた報告書かが分からず、必要な記載も欠けているというおよそ報告書として成り立っていないものでした。

どうしてこのような報告書で後遺障害申請をしたのかを保険会社担当者に問い合わせたところ、「ご本人様に書いてもらったと思うんですけど・・・」との返答でした。高次脳機能障害であるご本人様が報告書を書けば、不十分な記載となることは当然です。周囲のフォローが無いと適切な報告書が作成できないではないかと問い詰めましたが、保険会社担当者は曖昧な返答に終始していました。

そこで、一から「日常生活状況報告書」を作成し直すことになりました。具体的には、同居の家族や別居のご兄弟をお呼びして、ご本人様の事故前と事故後の違いをお聞きし、その内容を報告書だけでなく別紙にまとめるなどして、より詳細な報告書を作成しました。

高次脳機能障害の認定のために必要な「神経心理学的検査」がなされていませんでした。

そこで、専門の病院を紹介し、記憶検査であるリバーミード行動記憶検査やWMS-R、遂行機能検査であるWCSTやBADS、注意力検査であるD-CATやTMT、CATなどの検査を受けました。その後、医師面談をして検査結果の説明を受けるとともに、医師に検査結果をまとめて頂きました。

そして、新たな「日常生活状況報告書」と「神経心理学的検査結果」を損害保険料率機構に提出したところ、高次脳機能障害として後遺障害等級9級が認められました。これに鎖骨骨折12級が併合されて8級となりました。

その後は保険会社と交渉し、2322万7482円の賠償金が入金されました。ご相談前の保険会社の提示が595万4055円でしたので、3.9倍に増額したことになります。

追加の検査では辛い思いをされたことと存じますが、最終的に喜んでいただくことができて本当に良かったと思いました。どうかお大事になさってください。

 

 

 

この記事を書いた人
深田茂人
深田法律事務所 代表・交通事故専門弁護士
深田 茂人(ふかだ しげと)
平成17年弁護士登録。平成19年に大分市城崎町に深田法律事務所開設。 これまでに800件以上の交通事故相談、350件以上の依頼を担当しており(令和元年12月15日時点)、特に適正な後遺障害等級の認定が得られるよう注力しています。
【主な職歴・所属】
・大分県弁護士会副会長(平成26年度、平成27年度)
・九州弁護士会連合会主任(平成24年度)
・日弁連交通事故相談センター委員
・日本交通法学会会員
・日本交通心理学会会員
・日本賠償科学会会員
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