【高次脳機能障害・頸髄損傷】後遺障害等級2級が異議申立により1級に上がったケース

依頼者:62歳の男性
事故態様:バイクで電柱に激突した自損事故
後遺症の内容:高次脳機能障害、頸髄損傷に伴う四肢麻痺
ご依頼前の後遺障害等級:2級(別表第一)
ご依頼後の後遺障害等級:1級(別表第一)

ご相談内容

息子様がご来所され、当事務所の深田茂人弁護士が相談をお受けし、以下のようなお話を伺いました。
「父の自損事故だったため、父の保険に付いていた人身傷害補償保険を使い、後遺障害等級2級が認定されました。事故による後遺症のため、父は左手が少し使えるものの右手・両足は全く動きません。物覚えも悪くなり、気分のムラが激しく、やりとりが大変です。2級と1級では慰謝料や将来の介護費用などの金額が大きく異なると聞きました。認定された後遺障害等級は適正なものでしょうか?」

解決までの流れ

相談段階での弁護士のアドバイス

ご相談の際、息子様が後遺障害等級の認定結果の通知書を持参されていましたので、拝見しました。

通知書には、四肢麻痺の後遺症を認めつつも左手が使えることを理由に1級ではなく2級である旨が記載されていました。また、高次脳機能障害の後遺症もあると認めているのに、踏み込んだ記載がほとんど無く、等級認定にあたって高次脳機能障害がどのように考慮されたのか不明な内容となっていました。20191206114248_00001_1.jpg20191206114305_00001_1.jpg

そこで、深田茂人弁護士(以下「弁護士」といいます)は息子様に、

四肢麻痺の状態をより詳しく主張することで1級が認定される可能性もあること

②仮に四肢麻痺のみでの1級認定が難しいとしても、お父様が高次脳機能障害の専門的な検査を受けられていない可能性があるので、その検査を受けることによって1級が認定される可能性があること

をアドバイスしました。

ご依頼

相談から数日後、息子様から依頼をしたいとのお電話がありました。お父様の意思能力は保たれているとのことでしたので、お父様自身からご依頼をいただく必要がありました。

そこで、お父様の当時入られていた施設に弁護士が伺い、上記①②のアドバイス、弁護士が1級の認定を目指して異議申立てをすること(異議申立てがうまくいかない場合は裁判の可能性もあること)、弁護士費用の説明をし、お父様から正式な依頼をお受けいたしました。

その日、お父様は落ち着いていらっしゃいましたが、ご自身が自損事故を起こしてご家族に迷惑をかけてしまっていると涙を流され、今後はお金が必要になるのでどうかお願いしますと仰いました。このようなとき、弁護士としての責任の重さを改めて感じ、とても気の引き締まる思いで一杯になります。

高次脳機能障害の検査など

弁護士が保険会社から資料を取り寄せて確認したところ、やはり高次脳機能障害の専門的な検査を受けていませんでした。

一般の脳外科ではいわゆる知能テスト(IQテスト)くらいは行いますが、人間の能力はIQだけでは測ることができないのは近年周知のとおりです。多種多様な能力を可能な限り検査するための神経心理学的な検査が多数存在します。

弁護士が専門医に、お父様の神経心理学的な検査を依頼し、お父様に検査を受けていただきました。そして、その結果をもとにして専門医に後遺障害診断書を作成していただきました。

さらに、お父様の事故前と事故後の変化を知る息子様と奥様からその変化を詳細に聞き取り、日常生活状況報告書を作成しました。

異議申立

自動車保険における後遺障害等級の認定基準は、自動車事故よりも歴史の長い労災事故の基準をほぼそのまま使うこととされています。

そして、労災事故の後遺障害等級認定基準は、四肢麻痺で片手のみ動くような場合、食事・入浴・トイレ・着替えなどの身の回り動作に「常時介護を要する」のであれば1級、「随時介護を要する」のであれば2級としています。そこで、異議申立では、頸髄損傷に伴う四肢麻痺の検査結果を引用しながら、息子様や奥様と作成した日常生活状況報告書において「常時介護を要する」旨の主張をしました。

また、高次脳機能障害と四肢麻痺の両方の後遺症がある場合、労災事故の基準は、それぞれの後遺症を単独で評価するのではなく、両方の後遺症を総合的に評価して等級を判断しなければならないとしています。そこで異議申立では、新たに受けた神経心理学的検査の結果及び日常生活状況報告書の内容を引用しながら、上記の四肢麻痺と合わせて評価すれば「常時介護を要する」ことは疑いようがない旨の主張をしました。

等級の変更

異議申立の結果がほぼそのまま認められ、2級から1級に変更されました。20191206114231_00001_1.jpg

保険金の変更

本件は自損事故のため、加害者の自動車保険についている対人賠償保険ではなく、依頼者本人の自動車保険についている人身傷害補償保険を利用していました。

そして、人身傷害補償保険の約款に基づいて、後遺症慰謝料が1700万円(2級)から2300万円(1級)に、将来の介護料が1450万2000円(2級)から2900万4000円に、総額が6121万5414円から8171万7414円に増額されました(2050万2000円の増額)。

この記事を書いた人
深田茂人
深田法律事務所 代表・交通事故専門弁護士
深田 茂人(ふかだ しげと)
平成17年弁護士登録。平成19年に大分市城崎町に深田法律事務所開設。 これまでに800件以上の交通事故相談、350件以上の依頼を担当しており(令和元年12月15日時点)、特に適正な後遺障害等級の認定が得られるよう注力しています。
【主な職歴・所属】
・大分県弁護士会副会長(平成26年度、平成27年度)
・九州弁護士会連合会主任(平成24年度)
・日弁連交通事故相談センター委員
・日本交通法学会会員
・日本交通心理学会会員
・日本賠償科学会会員
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