被害者:38歳、女性、専業主婦(大分市在住)
事故現場:大分市
事故態様:交差点で停車中に後方車から追突された。
入通院状況:頚椎捻挫、腰椎捻挫、入院なし・通院約9ヶ月
後遺障害等級14級が認定され、保険会社から186万2844円を支払う旨の提示を受けました。この金額は適正なのでしょうか?
ムチウチによる頚椎捻挫と腰椎捻挫で後遺障害等級14級が認定されました。保険会社からは186万2844円を支払う旨の提示を受けました。この金額は適正なのでしょうか?
保険会社から提示された186万2844円の内訳を見ますと、以下のようになっていました。
治療費:すでに支払い済み
通院費:6万1800円
文書料:1万800円
休業損害:5700円×75日=42万7500円
通院慰謝料:61万2744円
後遺障害慰謝料・逸失利益:75万円
合計(治療費除く):186万2844円
しかし、上記の保険会社の提示額は以下の点で低すぎるものでした。
休業損害が低い
保険会社は、主婦の休業損害を1日5700円で計算していました。
しかし、主婦の休業損害は賃金センサスの女子平均賃金である年354万7200円を基準に計算すべきです(→休業損害が低いことがある)
休業損害としては354万7200円÷365日×158日=153万5500円が適正と考えられます。
通院慰謝料が低い
通院期間285日(実通院日数96日)の通院慰謝料として、保険会社は61万2744円を提示していました。
しかし、上記通院慰謝料の裁判基準としては、110万9999円が適正と考えられます。
→傷害慰謝料が低い
後遺障害の慰謝料・逸失利益が低い
後遺障害等級14級の慰謝料・逸失利益として、保険会社は75万円を提示していました。
しかし、75万円というのは、後遺障害等級14級で認められる自賠責保険金額です。自賠責保険は最低限の補償をするもので、任意保険はその上乗せ保険であるはずです(→賠償金額の3つの基準)。
まず、後遺障害の慰謝料の裁判基準としては、110万円が適正と考えられます。
→後遺障害(後遺症)の慰謝料が低い
さらに、後遺障害の逸失利益の裁判基準としては、354万7200円×5%×4.3295(5年のライプニッツ係数)=76万7880円が適正と考えられます。
→後遺障害(後遺症)の逸失利益が低い
その他
保険会社の提示では、弁護士費用・遅延損害金が計上されていません。
当事務所は、以上の点を指摘し、保険会社と交渉を重ねました。
交渉を重ねるたびに保険会社の回答額は上がっていき、最終的には上記の休業損害、通院慰謝料、後遺障害の逸失利益・慰謝料の全てにつき当事務所の主張額を認める旨の回答を得ました。
ただ、最後の弁護士費用・遅延損害金については、「交渉段階では支払えない。これ以上は裁判するほかない。」という回答でした。
当事務所は、この内容を依頼者様に伝えて協議したところ、依頼者様は裁判を望まれなかったので、上記の当事務所主張額に通院費と文書料を加えた合計458万5979円の賠償金の支払いを受けて解決としました。
こうして、保険会社提示額の186万2844円から2.46倍の458万5979円に増額した賠償金を受け取ることができました。
なお、依頼者様は弁護士費用特約をご利用でしたので、上記の458万5979円をそのまま依頼者様にお渡しすることができました。
→弁護士費用が保険でまかなわれることがあります。
どうかお大事になさってください。
・【ムチウチ】異議申立てによって、後遺障害等級の非該当から14級に変更された事例
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